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訂正審判・訂正請求に関する省令改正について

一宮 維幸弁理士

特許法施行規則(昭和35年通商産業省令第10号)(以下「省令」)の一部改正が平成27年11月1日に施行された。この改正は、訂正審判の審判請求書および訂正請求の請求書の記載について、制度利用者に分かり易いものとすることを目的とするものである。

1.改正の背景

訂正審判または特許無効審判もしくは特許異議の申立てにおける訂正請求において、請求項ごとに請求する場合、訂正の対象となる請求項の中に「一群の請求項」の関係があるときは、当該一群の請求項ごとに請求する必要があり、その「一群の請求項」の定義は省令第45条の4に委任されている(特許法第120条の5第4項)。この「一群の請求項」の関係に係る規定がわかりにくいとの不満があったところ、特許庁において再検討した結果、現状の規定よりも簡潔に定義できることが判明し、省令が改正されることとなった。

2.改正のポイント

(1)省令第45条の4の規定の整備

改正前の省令第45条の4では、「一群の請求項」の関係は、再帰的(連鎖的)にされる引用関係(1号関係)、一対複数の引用関係(2号関係)、複数対一の引用関係(3号関係)、これらの引用関係の組み合わせ(4号関係)と規定されていた。
改正後は、「一群の請求項」の関係は、特許法第120条の5第4項で規定された引用・被引用の関係と、当該関係の組み合わせ、として整理される。この改正は一群の請求項の考え方を変更するものであるが、結果として導き出される一群の請求項は、改正の前後で変更はないと考えられる。

(2)請求書の様式の変更(様式61の4、62、および63の2)

審判請求書および訂正請求書の欄の名称で、改正前の「請求項の数」は、改正後にはそれぞれ「審判の請求に係る請求項の数」および「訂正の請求に係る請求項の数」となる。この欄には、特許権全体で請求するときは特許原簿に記載された請求項の数を、請求項ごとに請求するときは訂正後の請求項(削除される請求項を含む)の数を記載する。

(3)「請求の趣旨」および「請求の理由」の記載方法の変更

「請求の趣旨」について、請求項ごとに請求する場合には、改正前には請求項ごと又は一群の請求項ごとの請求である旨を記載していたところ、改正後は訂正後の請求項の番号を具体的に記載することとなる。特許権全体に対して請求する場合の記載は従来通りである。
「請求の理由」については、改正前には「1.設定登録の経緯」、「2.訂正の理由」、「3.訂正事項」、および「4.訂正の原因」の項目を設けることとされていたが、改正後は「1.設定登録の経緯」、「2.訂正事項」、および「3.訂正の理由」の項目を設けることとなる。具体的な記載事項については、特許庁から公表されている記載例等を参照されたい。

(4)添付書類の一部の提出が不要に

改正前は、特許請求の範囲または明細書のいずれか一方のみを訂正する場合であっても、両方とも(すなわち訂正しない書類も)提出することとされていたが、本改正により、訂正しない書類の提出は不要となる。

3.経過措置

改正後の省令規定は、施行日以後に訂正審判請求または訂正請求をするものについて適用される。すなわち、施行日前に特許無効審判もしくは特許異議の申立てがなされた場合であっても、施行日以後に訂正請求がなされた場合には改正後の規定が適用される。

詳細については特許庁のウェブサイトを参照されたい。
特許法施行規則の一部を改正する省令(平成27年10月30日経済産業省令第72号)
訂正審判・訂正請求の手続き

執筆者

特許部化学班アソシエイト 弁理士

一宮 維幸 いちのみや まさゆき

[業務分野]

特許

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