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商標判例読解60 「NEONERO」事件

著者など 富所 英子    ユアサハラ法律特許事務所/商標判例研究会
業務分野 商標
出版日 平成30年12月19日
掲載誌・出版物 特許ニュースNo. 14838
出版社 一般財団法人 経済産業調査会

概要

当事務所・商標判例研究会による連載「商標判例読解」の第60回

事件番号:平成28年(ネ)第10104号 販売差し止め等請求控訴事件
係属部:知的財産高等裁判所第2部(裁判長裁判官:森 義之)
判決日:平成30年2月7日
結論:控訴認容(原判決を取消)
関連条文:商標法25条,37条
出典:最高裁判所ウェブサイト

本件は、以下の「本件商標1」及び「本件商標2」につき商標権を有する被控訴人(一審原告)が、控訴人(一審被告)による商品に関する広告に以下の「控訴人標章1」及び「控訴人標章2」を付して頒布する行為が本件商標権を侵害する旨主張して、控訴人に対し,商標法36条1項、2項に基づき、控訴人の商品の販売及び頒布の差止め並びに廃棄を求めた事案である。

<本件商標1>
登録第5799743号「NEONERO」(標準文字)
第14類:宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製靴飾り,時計

<本件商標2>
登録第5799744号

(本件判決書別紙商標権目録より引用)
第14類:同上

<控訴人標章1>

(本件判決書別紙控訴人標章目録より引用)

<控訴人標章2>

(本件判決書別紙控訴人標章目録より引用)

原判決は、一審被告(本件控訴人)による商品の輸入販売行為はいわゆる並行輸入による商標権侵害の違法性阻却事由に該当するとはいえず、一審原告(本件被控訴人)の一審被告に対する本件商標権の行使が権利濫用に当たるということもできないなどとして、一審原告の請求を全部認容したため、一審被告が本件控訴を提起した。

本判決では、争点である「並行輸入による商標権侵害の違法性阻却事由該当性」について、商標権者以外の者が、我が国における商標権の指定商品と同一の商品につき、その登録商標と同一の商標を付されたものを輸入する行為は、許諾を受けない限り、商標権を侵害する(商標法2条3項、25条)が、そのような商品の輸入であっても、

・第1要件:
当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり(本件の場合は、当該商品の広告などに当該商標を使用することが外国における商標権者との関係で適法であること)、
・第2要件:
当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであって、
・第3要件:
我が国の商標権者が直接的に又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価される

場合には、商標権侵害としての実質的違法性を欠くものと解するのが相当である(最高裁第一小法廷平成15年2月27日判決民集57巻2号125頁) と述べ、本件は上記3つの要件を満たすから、真正商品の並行輸入に該当し、商標権侵害としての実質的違法性を欠くと認めた。

また、本件判決では、並行輸入による商標権侵害の違法性阻却事由の「第3要件」(我が国の商標権者の品質管理可能性)について、「外国の商標権者と我が国の商標権者とが法律的又は経済的に同一視できる場合には、原則として外国の商標権者の品質管理可能性と我が国の商標権者の品質管理可能性は同一に帰すべきものであるといえる。ただし、外国の商標権者と我が国の商標権者とが法律的又は経済的に同一視できる場合であっても、我が国の商標権の独占権能を活用して、自己の出所に係る商品独自の品質又は信用の維持を図ってきたという実績があるにもかかわらず、外国における商標権者の出所に係る商品が輸入されることによって、そのような品質又は信用を害する結果が生じたといえるような場合には、この利益は保護に値するということができる。」との見解を示した。なお、本判決では、我が国の商標権者側に、「保護に値する利益」はないと判断された。

なお、記事の全文は「特許ニュース」No.14838(平成30年12月19日号)をご覧ください。

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