著作・論文

弊所メンバーが執筆に関わった論文や出版物などのご紹介
知的財産全般、著作権法、不正競争防止法、種苗法等についての
著作・論文をお探しの場合には「知財一般」を選択して下さい。

商標判例読解49 京都赤帽侵害事件

著者など 富所 英子    ユアサハラ法律特許事務所 商標判例研究会
業務分野 商標
出版日 平成29年5月11日
掲載誌・出版物 特許ニュースNo.14441
出版社 一般財団法人 経済産業調査会

概要

事件番号:平成28年(ワ)第17092号 損害賠償等請求事件
係属部:東京地方裁判所民事第46部
判決日:平成29年1月26日
結論:請求棄却
関連条文:商標法4条1項11号,38条,39条/不正競争防止法2条1項13号
出典:最高裁判所ウェブサイト

本件は、過去に無効審判に関する審決取消訴訟において、商標法4条1項15号に該当すると判断された商標と同一の商標について、商標権侵害には該当しないと判断されたケースである。

原告:全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会

被告:株式会社舞妓ロジスティクス(旧商号:株式会社京都赤帽)

本件の侵害訴訟では、被告標章1及び2は、原告標章1又は2とは非類似であるとして、商標権侵害が否定された。

一方、本件の原告が、被告所有の被告標章2(商標登録第5506879号)に対し、原告商標1及び2等を引用商標として無効審判を請求したところ(無効2013-890038)、審決では登録無効は認められず、審決取消訴訟において被告の登録商標(被告標章2)は商標法4条1項15号に該当するとして、登録が無効とされた(平成27年(行ケ)第10025号)。

以下は、無効審判、審決取消訴訟、及び本件侵害訴訟において、原告商標と被告標章2について、どのよう認定がなされたのかを比較した表である。

このような判断の違いは、(a)「赤帽」という言葉の識別力(創作性の程度)、並びに(b) 原告が「赤帽」の他に「あかぼう」や「Akabou」の略称を使用している状況で、原告が「赤帽」と略されていると言える否か、という点についての認定の違いに起因しているように思われる。

審決取消訴訟において「他人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当すると判断される被告標章2の使用が、本件の侵害訴訟では、商標非類似として商標権侵害が否定された。審決取消訴訟における認定、即ち原告商標「赤帽」の周知著名性が認められ、且つ被告標章2が「他人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当すると判断が現時点でも維持される(該当する)のであれば、本ケースでは不正競争防止法2条1項1号による救済を求めることができたと考えられる(本件では、不正競争防止法2条1項13号の主張はなされているが、同項1号の主張はなされていない)。

なお、記事の全文は「特許ニュース」No.14441(平成29年5月11日号)をご覧ください

ⅰ 出典:本事件の判決書
ⅱ 出典:本事件の判決書
ⅲ 出典:本事件の判決書
ⅳ 出典:本事件の判決書

富所 英子の他の著作・論文

商標に関する他の著作・論文

お電話でのお問合せ

03-3270-6641(代表)

メールでのお問合せ

お問合せフォーム

Section 206, Shin-Otemachi Bldg.
2-1, Otemachi 2-Chome
Chiyoda-Ku, Tokyo 100-0004, Japan
Tel.81-3-3270-6641
Fax.81-3-3246-0233

ご注意

  • ・本サイトは一般的な情報を提供するためのものであり、法的助言を与えるものではありません。.
  • ・当事務所は本サイトの情報に基づいて行動された方に対し責任を負うものではありません。

当事務所のオンライン及びオフラインでの個人情報の取り扱いは プライバシーポリシーに従います。