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商標判例読解32 「Admiral」事件(商標権分割移転後の使用権者による登録商標の不正使用)

著者など 富所 英子    ユアサハラ法律特許事務所/商標判例研究会
業務分野 商標
出版日 平成27年11月12日
掲載誌・出版物 特許ニュースNo.14083
出版社 一般財団法人 経済産業調査会

概要

ユアサハラ法律特許事務所商標判例研究会による連載「商標判例読解」の第32回

 

事件番号:平成26年(行ケ)第10170,10171,10172,10173,10174号 審決取消請求事件

係属部:知的財産高等裁判所第1部

判決日:平成27年5月13日

結論:請求認容(審決取消)

関連条文:商標法52条の2及び53条

出典:最高裁判所ウェブサイト

 

本件は、商標権が類似する商品について原告と被告に分割移転された後、被告の使用権者によって登録商標が不正に使用されたことを理由として、原告が請求した商標法53条の取消審判(使用権者による不正使用に基づく取消審判)の不成立審決に対する取消訴訟である。知財高裁は、商標権の分割移転後に一の商標権者の使用権者が不正に商標を使用した本件のケースでは、商標法52条の2の取消審判(商標権移転後の商標権者による不正使用に基づく取消審判)の趣旨を類推し、取消の要件として、商標法53条には規定がない「不正競争の目的」を要求すべきとの見解を示した。

プレゼンテーション1

本件における争点は、①本件商標の使用権者が、他人(原告)の業務に係る商品と混同を生ずる商標の使用をしたといえるかどうか(商標法53条1項本文)、及び②本件商標の商標権者である被告が、その事実を知らなかった場合において、相当の注意をしていたといえるかどうか(同項ただし書)である。

判決は、争点①について、(a)「Admiral」の商標は,使用権者商品の販売が開始された平成25年3月の時点で、20歳前後の若年層からなる需要者及び取引者の間において、相当程度認識されていたものと認められる点、(b)使用権者商品の外観が原告商品の外観と酷似する点、(c)原告使用標章とほぼ同一の構成から成る使用権者商標を、原告商品とほぼ同一の場所に付している点、及び(d)両商品は、大手靴量販店であるチヨダの店舗で同じ棚に並べられて販売されていたという取引の実情を根拠として、不正競争の目的、及び出所混同を認めた。

争点②については、本件及び引用商標権が類似商品について分割移転された経緯や、原告により引用商標が付されたタウン・シューズが販売されていたことを被告が認識していた点等に鑑み、被告には「原告商品の周知の程度や原告の商品における引用商標の具体的な使用態様を確認し、使用権者商標の具体的な使用態様が、原告業務に係る商品との具体的な混同を生ずるおそれがないかどうかについて、注意をする義務」があったのであるから、「(原告商品との)混同を生ずるおそれがあることを知らなかったとしても、被告は、そのような混同が生じるおそれがあることを知るための相当の注意を欠いていた」と判断し、被告の抗弁を退けた。

 

なお、記事の全文は「特許ニュース」No.14083(平成27年11月12日号)をご覧ください。

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