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GPT-4:本格的な人工知能(AI)の時代の幕開け

2023年3月15日に、GPT-4が使用可能になったので、3月16日に早速使ってみました。まだ性能に限界がありますが、本格的な人工知能の時代の幕開けを感じさせます。

GPT-4は、OpenAIによって開発された大規模な言語モデルです。

まずは、GPT-4に関東地方の県について聞いてみました。

質問文:
関東地方の県は?

GPT-4の回答:
関東地方は、日本の本州の東部に位置し、以下の7つの県から構成されています。
東京都
神奈川県
埼玉県
千葉県
茨城県
栃木県
群馬県
これらの県は、経済、文化、歴史の面で多くの重要な役割を果たしており、特に東京都は日本の首都であり、国際的な都市です。

以前、ChatGPTで試した際には、山梨県が入っており、微妙な回答でしたが、今回は正しい7つの都道府県が答えられています。3月16日現在は、ChatGPTでも、上記の7つの都道府県が回答されるので、ユーザーからのフィードバックを用いた強化学習の効果が出ているのかもしれません。

細かい点を見れば、「東京都は日本の首都であり」は、東京都ではなく、東京とも思われますが、ほとんど違和感のない自然な日本語の回答となっています。

また、県(都道府県)の名前を聞いているだけなのに、東京都が日本の首都であることなど関連情報も回答しており、気が利いた出力となっています。

続いて、日本の特許法について質問してみました。

質問文:
外国のサーバー、日本の複数のクライアントコンピュータ(端末)からなるシステムが、外国からのデータの送信により特許発明の技術的範囲に属するようになった場合、日本の特許法の「生産」となる要件は何ですか?

GPT-4の回答:
日本の特許法において、「生産」は、特許法第2条第3項において定義されており、「発明の内容を実施することによって製品を生産すること」とされています。ただし、実際の適用に関しては、具体的なケースに応じて判断が必要です。
外国のサーバーと日本のクライアントコンピュータ(端末)からなるシステムに関して、外国からのデータ送信により特許発明の技術的範囲に属する場合、以下の条件が満たされる場合に「生産」に該当する可能性があります。
1.クライアントコンピュータ(端末)が特許発明の技術的範囲に属する製品やプロセスを実施していること。
2.その実施が日本国内で行われていること。
ただし、具体的なケースに応じて、法律上の解釈や適用が異なる場合があるため、特許に関する問題に対処する場合は、特許専門家(弁理士や弁護士)に相談することをお勧めします。専門家は、特定の状況に応じて適切なアドバイスや対策を提案できます。

上記の回答は、日本語としては自然ですが、日本の特許法の問題への回答としては問題があり、まだ法律的な質問への回答としては使えそうにありません。

まず、「日本の特許法において、『生産』は、特許法第2条第3項において定義されており、『発明の内容を実施することによって製品を生産すること』とされています。」というのは誤りです。特許法第2条第3項には、「生産」の文言はありますが、「生産」の定義はありません。「生産」をどのように解釈するのかが問題となります。

また、システムについて、「生産」となるか否かを聞いていますが、回答はクライアントコンピュータについて回答しており、質問の意図が理解できていません。この点は、現在のAI技術の限界と思われます。また、AIの学習用のデータは、最新のものは含まれていないので、この点も今回の問題の意図が理解できない原因になっているかもしれません。

このように、回答としては誤りがあり、問題がある内容となっています。しかし、具体的なケースに応じて、法律上の解釈や適用が異なる場合があること、専門家への相談を勧めることなど、日本語としては、一応自然な受け答えとなっており、日本の特許法を知らない一般人の回答として見れば、かなりのレベルに達していると思われます。

このように、GPT-4は、本格的な人工知能の時代の幕開けを感じさせます。人工知能の技術の発展は速く、今後の人工知能の進歩が期待されます。

執筆者

法律部アソシエイト 弁護士

岡本 義則 おかもと よしのり

[業務分野]

企業法務 国際法務 知財一般 特許 意匠

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