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中 国:商標法改正

商標意匠部弁理士 黒田 亮

中国商標法が改正され、改正法が2019年11月1日から施行される。

今回の改正の大きな柱は、正当な商標所有者でない者によるいわゆる冒認商標出願・登録に関する規定である。冒認商標に関する主な改正点は以下のとおりである。

1.「使用を目的としない悪意の商標出願」を拒絶、異議申立、無効の各理由とすることを明記した(法4条1項、33条、44条1項)。

2.商標代理機構【中国商標代理人】は、依頼人の出願商標が上記1に該当することを知り又は知り得た場合にはその依頼を受けてはならず(19条3項)、これに違反した商標代理機構及びその管理者や責任者には罰金が科され、犯罪となるものについては刑事責任が問われる(68条1項)。

3.悪意の商標出願及び悪意の商標訴訟は、それぞれ行政罰と司法制裁の対象となる(68条4項)。

「悪意」(4条)の具体的な解釈については、別途公表された北京市高等裁判所による審理指南(2019年4月24日公布)等に注目する必要がある。

尚、その他の改正点としては、いわゆる懲罰的損害賠償の倍率が「1倍以上3倍以下」から「1倍以上5倍以下」に引き上げられ(63条1項)、裁量に基づく賠償額も「300万人民元以下」から「500万人民元以下」に引き上げられた点(同3項)、冒認商標に係る侵害品及びこれを製造するための材料や道具の廃棄について新設した点(同4項)、冒認商標を削除した商品の市場流通の禁止について新設した点(同5項)等がある。

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