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GPTs:本格的な人工知能(AI)の時代の進展

ChatGPTをベースにして、オリジナルのAIチャットを作れるGPTsが話題になっています。GPTsを使って知的財産政策について歴史上の人物3人が議論をするAIチャットを作ってみました。まだ性能に限界がありますが、本格的な人工知能の時代の進展を感じさせます。

GPTsは、OpenAIによって開発された大規模な言語モデルのChatGPTをカスタマイズして、オリジナルのAIチャットを作れるものです。

日本の知的財産政策について、諸葛孔明、紫式部、聖徳太子の3人が簡単な議論をするGPTsを作ってみました。名前は、「日本の知的財産政策に関する三人の議論」にしました。

まずは、「日本の知的財産政策に関する三人の議論」に、日本の今後の知的財産政策について質問してみました。

質問文:
日本の今後の知的財産政策について必要なことは何ですか?

「日本の知的財産政策に関する三人の議論」の回答:
諸葛孔明: 日本は技術革新の進展に対応するため、国際協力とデジタル化の促進が重要です。知的財産の保護と利用のバランスを重視するべきです。

紫式部: クリエイティブ産業の成長を支えるため、著作権法の適応と若手クリエーターへの支援が不可欠です。また、教育における知的財産の意識向上も重要です。

聖徳太子: 法的枠組みの整備と共に、国内外の知的財産訴訟への迅速かつ公平な対応が求められます。国民への知的財産の理解促進も必要です。

かなり無難なことを述べるようになっていますが、AIアライメントなど、人工知能の出力の観点から、相当に配慮がなされていることがうかがえます。

もっとも、諸葛孔明が大きな視点からの戦略、紫式部が著作権と若手クリエーターの保護、聖徳太子が法的枠組みと争いの解決について述べるなど、それぞれの個性が反映された出力となっています。

この程度のものであれば、ChatGPTでも、3人で議論をさせるなど、プロンプトを工夫すれば、GPTsを作らなくても、同じようなことはできますが、GPTsとしてカスタマイズしておくと、使いやすくなります。

次に、日本の特許制度の目的について質問してみました。

質問文:日本の特許法の目的について、産業の発達だけではなく、環境保全など様々な目的を柔軟に取り入れていくという考え方が提唱されていますが、どう思いますか?3人で議論してください。順番に1人2回発言してください。

「日本の知的財産政策に関する三人の議論」の回答:
諸葛孔明: 特許法は革新を促進する重要な道具です。しかし、現代の課題に合わせて、環境保全や持続可能性も重視すべき時代になりました。

紫式部: 確かに、法の柔軟性は重要です。特許法は産業発展を助けるだけでなく、社会的、環境的責任を促進する手段として機能すべきです。

聖徳太子: 特許法の目的は時代と共に進化するべきです。環境保全や社会福祉といった新しい価値観の統合は、法の適応性を高めることにつながります。

諸葛孔明: しかし、このような新しい目的を組み入れる際には、技術革新のバランスを慎重に考える必要があります。過度な制約は革新の障害になりかねません。

紫式部: その通りです。法の柔軟性と均衡は、創造的な発展と社会的責任の間で絶妙なバランスを保つことが求められます。

聖徳太子: 結局、特許法は社会のニーズに応じて進化し、多様な目的を適切に反映することが重要です。その過程での調和が肝要です。

筆者は、特許制度の目的については、現行法の産業の発達だけではなく、環境保全など様々な目的を考慮することを提案しています(岡本義則「人工知能(AI)の時代における特許制度の目的」,パテント Vol.76, No.6, pp.103-111 (2023))。

人工知能による環境技術の加速による気候変動の問題の解決(「人工知能(AI)の時代の特許制度の目的と環境保全(地球温暖化、気候変動の問題と特許法)」)が、特許法の目的に環境保全を入れる一つの目的ですが、その点は読み取れていないようです。しかし、特許法の目的として、産業の発達だけではなく、環境保全を入れること自体には、肯定的なレスポンスが得られました。

特許法の目的に、環境保全等を入れることについては、色々な人に聞いても、おおむね肯定的な反応が得られましたので、特許法の改正を実現して頂きたいところです。日本が特許法の目的に環境保全等を入れることにより、世界の気候変動の問題の解決に貢献することができるでしょう。

このように、GPTsは、本格的な人工知能の時代の進展を感じさせます。人工知能の技術の発展は速く、今後の人工知能の進歩が期待されます。

※GPTsで作成した、「日本の知的財産政策に関する三人の議論」は個人用です。試しに使ってみたい方は、筆者までご連絡ください。

執筆者

法律部アソシエイト 弁護士

岡本 義則 おかもと よしのり

[業務分野]

企業法務 国際法務 知財一般 特許 意匠

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