英国: 欧州単一特許/統一特許裁判所への不参加表明(2020年2月27日)
地域:イギリス
業務分野:特許
カテゴリー:法令
2020年2月27日に、英国政府は、欧州単一特許(Unitary Patent:UP)と統一特許裁判所(Unified Patent Court: UPC)に参加しないことを公表した。その理由として、統一特許裁判所の協定は、英国政府が欧州連合(European Union:EU)の法律を適用し、欧州司法裁判所を監督裁判所として受け入れることを意味し、英国の独立した自治国家になるという目的と矛盾することを挙げている。
この決定により以下のような影響がでる見込みである。
・化学/薬学/生命科学部門のための中央統一特許裁判所は、ロンドンに設置することが計画されていたが、移転されなければならず、イタリアのミラノに変更することが検討されている。
・英国(UK)在住の弁護士/特許弁護士は、統一特許裁判所での裁判の代理権を持つことができず、英国の(British)裁判官は統一特許裁判所の構成員ではない。
・欧州単一特許は英国をカバーしない。欧州特許庁(EPO)による英国での権利保護は、従来のEP特許を介してのみ可能となる。
英国の上述の決定により、欧州単一特許と統一特許裁判所の導入が、大幅に遅れることが予想される。
執筆者
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