カンボジアでの特許の認証(Validation)
地域:カンボジア
業務分野:特許
カテゴリー:法令
カンボジア工業手工芸省(MIH)は、日本特許庁(JPO)、欧州特許庁(EPO)および中国知識財産局(SIPO)と特許の認証に関する覚書に署名したので、以下に説明する通りに、各国特許に基づいてカンボジア特許取得が可能となった。
1.日本特許
日本特許庁は、カンボジア工業手工芸省(MIH)との特許の付与円滑化に関する協力(CPG: Cooperation for facilitating Patent Grant)の覚書に署名し、2016年7月1日からこの協定が施行された。
これにより、日本で登録となった特許出願は、実質的には無審査でカンボジアにおいても特許登録となる(下記注参照)
注1)2016年12月8日にカンボジアのPCTへの加入が発効したが、2016年12月7日以前の国際出願日を有するPCT出願はカンボジアへの国内移行はできない。
注2) 医薬品に関しては、カンボジアでは2033年まで特許保護を受けることができない。
(WTO members agree to extend drug patent exemption for poorest members)
要件
1. CPGを申請するカンボジア特許出願と、優先日または出願日のうち最先の日が同一である日本特許出願があること。
2. 当該日本特許出願が既に特許査定されていること。
3. CPGを申請するカンボジア特許出願の全てのクレームが、特許査定された日本特許出願のクレームと同一となるように、必要に応じて補正が行われていること。
提出必要書類
1. 申請書
2. 日本特許庁長官が認証した日本特許公報の原本
3. 特許公報に記載されたクレームおよび明細書の英語訳、同クメール語訳(クメール語訳提出期限:CPG申請から6か月以内)、およびクメール語訳に対する翻訳宣誓書
4. クレーム対応表
2.欧州特許
欧州特許庁(EPO)は、2017年1月23日に署名したカンボジア工業手工芸省(MIH)での欧州特許の認証(validation)制度を2018年3月1日から施行した。
これにより、欧州特許に基づいてカンボジアで特許保護を受けることができる。
2018年3月1日以降に出願された欧州特許出願(国際出願も含む)に適用される。
要件
1. 欧州特許出願の場合は、サーチレポート発行が公報に発表された日から6か月以内に、当該特許のカンボジアでの認証を行うための費用(€180)を支払う。Euro-PCT出願の場合はEPへの移行時に支払う。
2. 特許後、明細書のクメール語翻訳を提出する。
注) 医薬品に関しては、カンボジアでは2033年まで特許保護を受けることができない。
(WTO members agree to extend drug patent exemption for poorest members)
3.中国特許
中国知識財産局(SIPO)は、2017年9月21日に署名したカンボジア工業手工芸省(MIH)と知的財産権の連携に関する覚書を2018年3月28日から施行した。
これにより、中国特許に基づいてカンボジアで特許保護を受けることができる。
要件
1. 中国特許が正常に存続(in proper order)していること
2. 中国特許の出願日が2003年1月22日以降であること。
提出必要書類
1. 申請書
2. SIPO発行の認証付特許明細書(certified copy of patent)および特許登録証(certificate of patent register)。
3. クメール語の特許明細書(申請後であっても認証後6か月以内であれば提出可)。
注) 医薬品に関しては、カンボジアでは2033年まで特許保護を受けることができない。
(WTO members agree to extend drug patent exemption for poorest members)
執筆者
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