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日本: 意匠法改正

神蔵 初夏子弁理士

平成 23年 3月 11日に閣議決定された、「特許法等の一部を改正する法律案」は平成23年5月31日に可決・成立し、6月 8日に法律第 63号として公布された。公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行される。

意 匠 法
1. 通常実施権などの対抗制度の見直し
(意匠法(以下省略)第5条の2及び第28条第3項)
改正内容:
通常実施権はその発生後にその意匠権を取得したもの等の第三者に対してもその効力を有するものとする。仮通常実施権はその発生後に意匠を受ける権利等を取得した者に対してもその効力を有するものとする。
背  景:
現行制度では特許庁に未登録の通常実施権は意匠権の譲受人等の第三者に対抗することができない(特許法第 99条第 1項、準用第28条第3項)。製品開発に複数の企業がかかわりあい、複数の通常実施権の許諾が必要とされているにも関わらず、コストや手間がかかる等の理由により登録制度がほとんど利用されていなかった。対抗要件を認めてほしいというニーズと保護の実態に齟齬がみられた。

2. 冒認出願などに係る救済措置の整備
(第 26条の2、第48条第1項第1号及び第3号等)
改正内容:
意匠を受ける権利を有しない者の意匠出願が登録されたとき、または共同出願違反に該当する出願が登録されたときは、意匠を受ける権利を有する者は、その意匠権者に対して意匠権の移転請求をすることができるものとした。
背  景:
現行制度では冒認出願された真の権利者は冒認意匠に対して無効審判請求といった対抗手段しか持てなかった。

3. 再審の訴え等における主張の制限(第41条)
改正内容:
意匠権の侵害訴訟の終局判決が確定した後に意匠の無効審決が確定したとき等は、訴訟の当事者であった者は、その判決に対する再審の訴え等において、当該無効審決等が確定したことを主張することができないものとする。
背  景:
意匠権の侵害訴訟等の判決が確定した後に当該意匠権が無効となり、その無効審決が確定すると、それが再審理由となり確定判決が再審により取り消される可能性があり、紛争の蒸し返しとなり法的安定性を欠く結果となっていた。

4. 無効審判の確定審決の第三者効の廃止(第52条)
改正内容:
無効審判の審決の確定後に、当事者および参加人以外のものが、同一の事実及び同一の証拠に基づいて審判を請求することができるものとする。
背  景:
同一事実及び同一証拠に基づく審判請求であっても審判請求人の主張立証能力によって結論が変わりうる可能性がある。

5. 料金の見直し(第42条)
改正内容:
第 11年から第 20年までの意匠登録料を引き下げる。毎年 33,800円→ 16,900円
背  景:
近年、我が国企業においてロングライフデザインが重視されているものの、累積的に増加する意匠登録料の後年度負担は諸外国と比較しても重く、意匠保護への投資を抑制せざるを得ない状況となっていた。

6. 新規性喪失の例外規定の見直し(第4条第2項)
改正内容:
内外国意匠公報などに掲載されたことにより公知となった意匠については新規性喪失の例外の対象ではないことを明文化した。
背  景:
かかる意匠は新規性喪失の例外とする必要がないし、また適用対象とすると制度の悪用を招く恐れがあることから適用対象ではないことを条文上明文化した。

7. 出願人・意匠権者の救済手続きの見直し (第44条の2)
改正内容:
意匠登録料の追納について、追納期間の徒過に正当な理由があるときは、一定の期間は意匠登録料を追納することができる。
背  景:
救済対象となる手続きが極めて限定的で、かつ、要件が厳格すぎて実質的に救済が図られていなかった。追納ができない理由を「その責めに帰することができない理由」から「正当理由」に緩和し、また、特許における翻訳文提出の救済手続きの改正と救済可能となる理由の文言をそろえた。

参考:Webとっきょ 平成 23年 7月号(No.27)

執筆者

商標・意匠部アソシエイト 弁理士

神蔵 初夏子 かみくら はなこ

[業務分野]

意匠 商標

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