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「Kerzner International Limited v. BINTER CARGO, S.L.」事件(欧州連合知的財産庁第一審判部(事件番号R1264/2020-1号))要約

著者など 青島 恵美    
業務分野 商標
出版日 令和3年12月20日
掲載誌・出版物 日本商標協会レター378号
出版社 日本商標協会

概要

【事件の概要】

BINTER CARGO, S.L.(BINTER社)が、Kerzner International Limited(Kerzner社)の欧州連合商標「ATLANTIS」(以下「本件商標」)の全ての商品・役務(第16 類・第28 類・第36 類・第39 類・第41 類・第43 類・第44類)に対し、欧州連合商標規則(EUTMR)58条(1)(a)(登録商標の5年不使用)に基づき取消請求手続きを行ったところ、欧州連合知的財産庁(EUIPO)取消部は、①物理的なホテル等はドバイ及びバハマにあり、EU の顧客は物理的にEU の領域外に出ることによって初めて当該役務を利用できることを根拠に、第43 類「一時的な宿泊施設の提供、ホテルにおける宿泊施設の提供、ホテルサービス、旅行者用ホテルサービス、会議施設及びサービスの提供、レストラン及びバーサービスの提供」を含む様々な商品・役務に関し部分的に登録を取り消す一方、②予約サービス等はEU 域外への旅行を希望するユーザーが利用するものであり、ホテルサービス等の提供場所から離れた場所から予約を行う必要がある旨述べた上で、上記ホテル等はEU域内からの予約が可能であったことを根拠として、第43 類「旅行センターにおける宿泊施設の手配、(ホテルの予約のための)旅行代理店サービス、宿泊施設及びレストランの予約」に関し登録を維持する旨の決定をした。

これに対し、Kerzner社が、当該決定のうち本件商標登録の取消部分に関しEUIPO審判部に不服申立てを行ったのが本件である。

EUIPO審判部は、商標の真正な使用の有無は、主に、役務が実際に提供された場所ではなく、当該役務のために商標が使用された場所で評価すべきであるとした上で、実際のホテルはEU 域外に存在するものの、ホテルサービス等はEU を拠点とする旅行代理店経由でEU に居住する消費者に販売されており、EU において当該役務に関する商標の使用があったと判断した。

上記の理由によりEUIPO審判部が、EUIPO取消部による第43 類「一時的な宿泊施設の提供、ホテルにおける宿泊施設の提供、ホテルサービス、旅行者用ホテルサービス、会議施設及びサービスの提供、レストラン及びバーサービスの提供」に関する判断は誤りであると判断した結果、最終的に第43 類「一時的な宿泊施設の提供、ホテルにおける宿泊施設の提供、ホテルサービス、旅行者用ホテルサービス、会議施設及びサービスの提供、レストラン及びバーサービスの提供,旅行センターにおける宿泊施設の手配、(ホテルの予約のための)旅行代理店サービス、宿泊施設及びレストランの予約」に関しては登録が維持され、その他の商品・役務に関しては登録が取り消されることとなった。

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