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商標判例読解34 「ヨーロピアン」事件知財高裁判決(不使用取消審判における商標的使用)

著者など 青島 恵美    ユアサハラ法律特許事務所/商標判例研究会
業務分野 商標
出版日 平成28年1月20日
掲載誌・出版物 特許ニュースNo.14124
出版社 一般財団法人 経済産業調査会

概要

当事務所・商標判例研究会による連載「商標判例読解」の第34回

事件番号:平成27(行ケ)第10032号 審決取消請求事件

係属部:知的財産高等裁判所第1部

判決日:平成27年9月30日

結論:請求棄却

関連条文:商標法50条1項、同2項

 

被告である真富士屋食品株式会社が有する下記商標権(以下、当該商標を「本件商標」という。)について、原告ザ コカ・コーラ カンパニーが商標法50条に基づき不使用取消審判請求をしたところ、被告が、要証期間内に、取消請求に係る指定商品「コーヒー及びココア」の範ちゅうに属する「インスタントコーヒー」(「本件商品」)の包装袋(「本件包装袋」下記目録参照。)の表面に、「ヨーロピアン コーヒー」の二段書き標章を付した上で販売していたことをもって、特許庁は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていたとし、審判請求不成立の審決をした。

本件は、原告が当該審決の取消を求めた事案である。

【本件商標】

登録 第4225824号

商標 図2

指定商品 第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆」他

【目録】

図1

 

本件においては、以下の2点が争点となった。

1.本件包装袋における「ヨーロピアン」標章の使用が自他商品識別機能を有する商標としての使用(商標的使用)と認められるか。

2.被告が、本件包装袋において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したか。

 

争点1に関連して、知財高裁は、原告の提出による証拠から、原告を含む数社による「ヨーロピアン」の語の使用例がコーヒーやコーヒー豆についての品質を表すものとして使用されている点について具体的に指摘した上で、「『ヨーロピアン』の語は、他の自他商品識別機能が強い商標と併用されてコーヒーやコーヒー豆に使用されている場合には、単にコーヒーの品質を表示するだけであり、自他商品識別機能を有する商標として使用されているものとは認めることはできない場合が多い…」と述べた。その上で、「本件包装袋における『ヨーロピアン コーヒー』の二段書き標章のように、他の自他商品識別機能の強い商標と併用されることなく、単独で使用され、かつ、他の文字に比べると大きく、商品の目立つ位置に表示され、さらに®記号が付されて表示されているときには、それ程強いものではないけれども、一応自他商品識別機能を有する商標として使用されているものと認められる。」と判断した。

争点2について、知財高裁は、被告が本件包装袋に使用している「ヨーロピアン コーヒー」の二段書き標章中「コーヒー」は、本件商品の名称に過ぎず、自他商品識別機能がないことを理由として、本件商標である「ヨーロピアン」を単独で使用した場合と同様に解することができ、本件商標と社会通念上同一の商標の使用であると判断した。

 

なお、記事の全文は「特許ニュース」No. 14124(平成28年1月20日号)をご覧ください。

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