タイ商標法改正について
地域:タイ
業務分野:商標
カテゴリー:法令
商標意匠部弁理士 上野山めぐみ
タイの改正商標法が2016年7月28日より施行されることとなった。マドリッド・プロトコール加盟に向け、出願手続きの利便性向上が見受けられる。
主な改正点を以下にまとめる。
(1) 標章の定義が拡大され、音の商標の保護が可能となる(第4条)。
(2) 音、図形(picture)及び形状に関する商標の識別力に係る規定が改正される(第7条)。また、識別性を有さない標章(音なども含む)であっても、一定の規則に基づく使用証明ができれば、識別力が認められる。(第3条5項)。
(3) 一商標多区分制度が導入される。
(4) クロスサーチが導入され、同じ特徴を持つ商品について全ての区分が調査される。
(5) 同一又は類似の後願は直ちに拒絶されず、先願の審査が終わるまで通知の上で審査が中断される。
(6) 連合商標の廃止により、個々の登録又は登録の一部について譲渡可能となる。
(7) 登録手続の迅速化が図られ、応答、審判、異議申立等の手続期間が90日から60日へ短縮される。
(8) 印紙代の変更(区分毎)
・出願:1~5商品/役務=THB1,000、6商品/役務以降=THB9,000
・登録:1~5商品/役務=THB600、6商品/役務以降=THB5,400
・更新:1~5商品/役務=THB2,000、6商品/役務以降=THB18,000
(9) 商品の包装に関する保護:出所混同の意図をもって他人の商標等が表示された包装等を使用する者に対し罰則が適用される(第109条の1)。
尚、マドリッド・プロトコールに基づく国際登録に関連する規定は、2017年中頃施行予定である。
(以上)
執筆者
商標・意匠部アソシエイト 弁理士
上野山 めぐみ うえのやま めぐみ
[業務分野]
意匠 商標
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