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商標判例読解26 「江戸辛味大根」事件(「地名」と「普通名称」から成る商標の識別性)

著者など    ユアサハラ法律特許事務所・商標判例研究会
業務分野 商標
出版日 平成27年5月20日
掲載誌・出版物 特許ニュースNo.13963
出版社 一般財団法人 経済産業調査会

概要

ユアサハラ法律特許事務所・商標判例研究会による連載「商標判例読解」の第26回

本件は、「江戸辛味大根」の文字を標準文字で横書きにしてなる商標(以下、「本件商標という。」の拒絶査定不服審判請求の不成立審決の取消訴訟であり、商標法3条1項3号及び4条1項16号の各該当性が争われた。

本判決では、3条1項3号の該当性に関して、「「江戸辛味大根」という文字は,「江戸時代から江戸近郊で栽培されていた辛味大根」,「江戸時代から栽培されていた辛味大根」又は,「東京近郊で栽培される辛味大根」の意味合いを有するものと認められる。そうすると,前記の本願指定商品「辛味大根,辛味大根の種,辛味大根の苗」との関係においては,江戸時代から栽培された,あるいは,江戸(東京)地方を産地とする「辛味大根」を示すものとして,全体として商品の「品質」を記述するものであることが明らかである」とし,「本願商標を,本願指定商品中の「辛味大根,辛味大根の種,辛味大根の苗」に使用するときは,これに接する取引者,需要者は,一般的に,その「品質」を普通に用いられる方法の範囲で表示されていると理解,認識するに止まるものと解され,これが自他商品の識別標識としての機能を果たしている商標とは認識しないというべきである。」と判断し,商標法3条1項3号に該当するとした審決の判断に誤りがあるとはいえず,原告の取消事由には理由がない」と判断した。

伝統的な野菜に関しては、「冠した地域名とこれと結合した野菜名の文字に接した取引者,需要者は,当該地域を中心として生産された野菜,特に,旧都市名を冠している場合には,伝統的な野菜を認識するものと解される」と認定しており、伝統的な野菜についてのこのような慣行的な名称の付け方も,本判決の結論に影響を与える要素となったように思われる。そのため、本判決が,「江戸」と「普通名称」の組み合わせについて,常に識別力が否定される旨を述べたものと理解すべきではないと思われる。

なお、記事の全文は「特許ニュース」No.13963(平成27年5月20日号)をご覧ください。

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