インド:特許付与前の補正に関する前向きな判決(2022年7月5日)
地域:インド
業務分野:特許
カテゴリー:判例
事件:NIPPON A&L INC. v. The Controller of Patents
判決:C.A.(COMM.IPD-PAT) 11/2022(判決日2022年7月5日)
インドでは、補正は、特許法第59条(1)の要件「補正後の明細書のクレームが補正前の明細書のクレームの範囲内に完全に含まれないときには許可されない」を満たさなければならない。この要件は非常に厳しく運用されており、補正前クレームに記載されていない構成を追加する補正は認められない傾向にあった。
今回の判決では、特許付与前の明細書またはクレームの補正は、狭義(narrowly)ではなく広く(liberally)解釈されるべきであり、補正前後の発明は、『開示されている事項の範囲内で発明が理解される限り』、同一である必要はない、と述べられている。
<事案の概要>
審査段階において、出願人(NIPPON A&L INC.)が、明確性の拒絶理由を解消するために、「product by process」のクレームを「process」のクレームへ補正しようとしたところ、出願時のクレームにないprocessクレームは補正前クレームの範囲内ではないという理由で、補正は認められなかった。そのため、出願人が提訴した。
デリ高等裁判所は、「化学の分野では、processクレームはproductクレームより狭いと一般的に理解されており、補正クレームの「process」は、特許明細書で明確に開示されている。この補正は、クレームを狭めており、広げていない。」として、補正クレームは、最初に提出された(オリジナルの)特許明細書およびクレームの範囲内にあるとみなした。(判決、パラグラフ37、58)
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