メキシコ:産業財産権法改正(2020年11月5日施行)
地域:メキシコ
業務分野:特許
カテゴリー:法令
2020年7月1日に発効した米国、メキシコ、カナダの貿易合意(USMCA: the Trade Agreement between the United States, Mexico and Canada)に関連して、メキシコ産業財産権法が改正された。
この改正法は、原則2020年11月5日以降の出願に対して適用される。
分割出願については、原出願の出願日が2020年11月5日以降の場合に、改正法が適用される。
PCT出願については、メキシコ国内移行日が2020年11月5日以降の場合に、改正法が適用される。
特許、実用新案についての主な改正は以下のとおりである。
(1)特許期間の調整(PTA)
・特許庁(IMPI)に起因する、出願日と特許許可日の間の5年より長い不合理な遅れについては、出願人の要求に応じて、特許期間が調整される。調整期間は最長で5年である。
(2)分割出願
・分割出願は原出願と異なる主題を含まなければならない。
・特許許可の通知後2か月の間、出願人は原出願から自発分割出願をすることができる。
・分割出願から自発分割出願をすることはできない。庁から単一性違反を指摘された分割出願からのみ更なる分割が許される。
・原出願において削除された発明(クレーム)が分割出願のクレームに記載されていない場合、その権利保護を放棄したものとみなされ、原出願や分割出願に再度クレームすることは許可されない。
(3)優先権
・優先権(パリ条約第4条)とPCT国際段階での優先権撤回の概念が明示的に組み込まれた。
(4)用途特許
・物質や物質組み合わせの第2用途の特許可能性が明示的に含まれた。
(既知のプロダクトの新しい用途/既知のプロダクトを利用する新しい方法)
(5)Bolar exemption
・特許による権利は、医薬品規制上の承認のための必要な実験情報を得るために、特許製品を製造、販売または輸入する第三者に対しては、効力を生じない。
(6)補正の制限
・特許を許可するか拒絶するかの決定が発行される前のみ、自発補正が認められる。
・自発補正は、主題の限定、クレーム削除、従属クレームの追加に限られる。
・特許の有効性または登録に関する手続きの係属中には、特許された主題に対する補正は認められない。
(7)部分的無効
・特許された主題の部分的無効は、行政手続きの後に宣言されることができる。
(8)実用新案
・実用新案の存続期間は、出願日から15年になる。(改正前は出願日から10年であった。)
執筆者
特許部
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