ブラジル: 審査迅速化と許可率増加を目指す新規則(Rule 227/2018)発表(2018年10月30日)
地域:ブラジル
業務分野:特許
カテゴリー:法令
ブラジル特許庁(INPI)は、審査前見解書(Pre-examination Opinions)を発行して、係属中の特許出願の解析と審査を行う新規則(Rule 227/2018)を発表した。見解書は、外国の特許庁によって引用された先行技術を単に記載しただけの短い指令書。
出願人に上記引用先行技術を考慮させ、既に特許になっている外国出願のクレームに合わせてクレーム補正を行わせることにより、ブラジルでの審査が迅速になり、特許が得られやすくする。今回の新規則も、およそ20万件とも言われる膨大な未処理出願の滞貨を減らすことが目的である。審査前見解書が発行されると、60日以内に応答(クレーム補正あるいは特許性の技術的主張あるいは両方を)しなければならず、応答しない場合、出願は棚上げされる。
審査前見解書の対象となる出願の条件は以下の通り。
Ⅰ.実体審査着手前で特許庁に係属している出願。
Ⅱ.以前に優先審査を享受していない出願。
Ⅲ.付与前異議やANVISA(国家衛生監督局)から特許性についての見解を受けていない出願。
Ⅳ.他国の特許庁による先行技術調査が行われた対応出願がある出願。
本格施行前の試行の段階で、2018年6月までに680件の出願に対して審査前見解書が発行されたが、その中のおよそ150件(22%)では出願人の応答がなく、審査の対象から外された。応答がなされた中の88%の出願では、審査の迅速化および許可の機会を増大させるため、対応外国出願の許可クレームに合わせる補正がなされた。その結果、3~5か月で特許されたケースもある。
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