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ベトナム: 特許出願手続の改正(2018年1月15日施行)

外国特許情報委員会

指令応答期間の延長等の特許出願手続が広範囲に亘って改正がなされ、また用途発明が認められないことが明確化された。(2018年1月15日施行)

主な改正点は以下の通りである。

Ⅰ. 一般事項

1.1 指令に対する応答期限

方式審査に対する指令応答期間は2ヶ月、実体審査に対する指令応答期間は3ヶ月にそれぞれ延長された。応答期間と同じ期間の延長がそれぞれ1回認められるようになった。

1.2 審判および審判調停

審判では、補正や新たな事実・説明は今後認められないことが明確化された。新たな事実・説明がある場合は、出願人/審判請求人の請求により、特許庁は出願を再審査することができる。
新しい規則により、調停部門は、審判事件の複雑さに応じて、審判部へ専門家等の意見を求めることができるようになった。

1.3 拒絶査定への対応

実体審査に対する指令応答後に発行される拒絶査定を解消するには通常審判請求するが、その代わりに、審査結果に影響する新しい説明(審査でまだ考慮されていない)を出願人が提出すれば、特許庁は拒絶査定の取消を検討することになった。

1.4 特許の終了/無効の通知

特許の終了/無効の請求があったことの通知は、当該請求受理日から1ヶ月以内に権利者へ行わなければならないことが規定された。

1.5 出願の取下げ

出願人が一旦出願を明確に取下げると、後で回復することはできないとする条項が新たに導入された。

1.6 期限徒過後の救済(不責事由)

新しい概念である「不可抗力な出来事」あるいは「客観的障害」が導入され、その事象を実証する申立書および適切な証拠を提示し、特許庁が認める場合に限り、遅延提出することができることになった。

1.7 異議申立人への対応

異議申立には根拠があると特許庁が判断する場合には、特許庁は異議申立人に対象出願の審査結果を知らせることが義務づけられた。

Ⅱ. 特許関連

2.1 PCT出願の国内移行期限

国内移行期限は例外なく優先日から31か月となった。以前は延滞料の支払いにより37か月まで認める条項があったが今回削除された。明細書のベトナム語翻訳文は国内移行時に提出する必要がある。

2.2 審査請求期限

審査請求期間の延長が認められるのは、不可抗力な出来事あるいは客観的障害の場合で、それを証明するものを提出した場合に限定されることになった。

2.3 機能/有用性の特徴(用途発明)

用途発明は認められないことが明確化された。
従来の規定では「機能/有用性の特徴が発明の本質的特徴とすることができる」とされており、これらの特徴を常にベースとしている用途発明は拒絶すべきではなく、特許適格性を有するとの意見があった。今回、「主題の機能/有用性は発明の本質的特徴ではなく、単なる目的/結果にすぎない。」と明確化された。これにより、公知物質の新しい医療への適用(用途発明)は発明の本質的特徴と考慮されず、認められない。

2.4 明細書の補正

出願の補正は「発明の詳細な説明」を超えてはならないとされていたが、「(出願時のクレームと発明の詳細な説明を含む)明細書」に記載の内容の範囲であれば認められることになった。

2.5 年金納付

代理人を介して特許年金を支払う場合は委任状が必要となった。

執筆者

特許部

外国特許情報委員会

[業務分野]

特許

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