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韓国改正特許法の概要(2015年1月1日施行)

杉浦 彩弁理士、外国特許情報委員会

目次
1 改正の経緯
2 適用対象
3 改正の内容
3.1 出願日認定要件の緩和及び外国語書面出願制度の導入(42条の242条の3新設)
3.2 PCT出願に対する翻訳文提出期限の延長(2011項)
3.3 外国語特許出願における誤訳訂正制度の導入(2083項)
3.4 「明細書」及び「発明の説明」という用語の概念の明確化(422項)
3.5 特許料未納により失効した特許権の回復要件の緩和(81条の33項)

改正の経緯

・近年の韓国では、特許法条約(PLT)に準拠した特許法の改正が行われている。
・今回の改正は、2013年10月に改正法案が国会に提出され、2014年4月29日に国会の本会議を通過、2014年6月11日付で公布された後、2015年1月1日に施行された。

適用対象

2015年1月1日以降の韓国特許出願が対象となる。
・PCT出願の場合は、国際出願日が2015年1月1日以降の出願が対象。
・特許権回復規定については、公布日の2014年6月11日以降の申請から適用されている。

改正の内容

出願日認定要件の緩和及び外国語書面出願制度の導入(42条の2、42条の3新設)

・従来は、出願日が認定されるためには韓国語の明細書を提出する必要があったが(旧42条)、改正法では、外国語(英語のみ)の明細書でも出願日が認定されるようになった。
※最先の優先日から1年2月以内に韓国語翻訳文を提出しない場合は、取下擬制される。
・明細書の形式的要件が緩和され、明細書の記載形式だけではなく、論文や研究ノートなど完成した「アイデア説明資料(発明の説明)」を提出しても、出願日の認定を受けることが可能になった。※米国の仮出願制度に類似。
※最先の優先日から1年2月以内に正式な明細書形式に補正しない場合は、取下擬制される。
・クレーム(「請求の範囲」)なしでの出願も可能になった。

PCT出願に対する翻訳文提出期限の延長(201条1項)

従来は優先日より31ヶ月以内に書面と翻訳文を提出する必要があったが、改正後は出願人の申請によりPCT出願の韓国語翻訳文の提出期間を1ヶ月延長することができるようになった。

外国語特許出願における誤訳訂正制度の導入(208条3項)

従来は、外国語特許出願において、明細書の補正は韓国語明細書の範囲のみでしか認められていなかったため(旧208条3項・翻訳文主義)、誤訳の訂正を行うことができなかったが、改正により、出願時に提出された外国語明細書の範囲で補正(誤訳訂正)を行うことができるようになった(原文主義)。

「明細書」及び「発明の説明」という用語の概念の明確化(42条2項)

従来は、「明細書」及び「発明の説明」という用語の概念は明文上規定されていなかったが、改正法では、「明細書」は「発明の説明」および「請求の範囲」を含む概念であることが明確化された。

特許料未納により失効した特許権の回復要件の緩和(81条の3第3項)

従来は「実施中である」特許発明に係る特許権が消滅した場合しか回復手続が認められなかったが、改正後は「実施していない」発明に係る特許権についても回復手続が認められることになった。
・従来は納付金額が特許料の3倍であったが、改正後は2倍に引き下げられることになった。

執筆者

特許部

外国特許情報委員会

[業務分野]

特許

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