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韓国商標法改正(2016年9月1日施行)

商標意匠部弁理士 黒田 亮

韓国商標法は制定以降37回の改正が重ねられており、部分改正の繰返しにより多数の枝条項が羅列されるなどの問題があったが、今般26年ぶりに全部改正が行われ、2016年9月1日から施行される。

重要な改正点は以下のとおり。

1.商標の定義規定の整備

「商標」は自己の商品と他人の商品を識別するために使用する標章、「標章」は記号、文字、図形、音、匂い等であって、その構成又は表現方式に関係なく商品の出所を示すために使用する全ての表示とそれぞれ定義して、商標の定義を明確にすると共に代表的な標章の類型を例示列挙する構成をとった。

2.不使用取消審判制度の変更

不使用取消審判の請求人適格が、現行法下の「利害関係人」から「何人も」に拡大される。また、取消審決が確定した場合、審判請求日まで遡及して商標権が消滅する。

3.商標権消滅後1年間の出願禁止規定

現行法では、商標権が消滅した日から1年間は他人による同一又は類似の商標の登録が禁止されているが、改正法では当該規定は削除され、1年間の期間経過を待たずに他人が商標登録を受けられることになった。

4.不登録事由の判断時点の変更

商標出願の不登録事由の判断時点が、原則として、登録可否決定時となった(著名商標の保護、信義則違反等の不登録事由の判断は出願時)。これにより、出願時に抵触する先登録商標が存在していてもこれが登録可否決定時までに消滅あるいは出願人に譲渡されていれば、出願人は商標登録を受けることが可能となる。

5.条約当事国の登録商標に対する不正出願防止規定の整備

当該規定の適用範囲が、現行法下の「代理人もしくは代表者」から「共同経営・雇用等契約関係もしくは業務上の取引関係又はその他の関係にあり、もしくはあった者」に拡大され、また「出願日前1年以内に代理人もしくは代表者であった者」という時間的制限も削除された。

6.指定商品別の権利範囲確認審判請求

権利範囲確認審判が指定商品別に請求できることが明文化された。

7.その他

商標が登録された場合登録事項が公報に掲載され(登録公告)、不帰責事由による手続無効や登録料未納の回復期間が14日から2カ月に拡大された。

尚、改正案に挙がっていた商標共存制度(コンセント制度)や、同日出願が競合した場合の先使用者出願の優先規定は、導入が見送られた。

8.2016年4月28日施行の商標法一部改正

上記の商標法全部改正に先立ち、商標法一部改正が2016年4月28日に施行された。この改正は、以下のような場合に所定の審判請求関連手数料が返還されることを規定したものである。

1) 補正却下決定又は登録拒絶決定が審判(再審を含む、以下同じ)で取消された場合

→審判請求料の全額が返還

2) 審判請求の却下決定が確定した場合

→審判請求料の半額が返還

3) 審理終結通知前に審判請求が取下げられた場合

→審判請求料の半額が返還

4) 審理終結通知前に参加人により参加申請が取下げられた場合

→参加申請料の半額が返還

                          以 上

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