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シンガポール: 特許法の改正(2004年7月1日から発効)

伊藤 孝美弁理士

(1)調査および審査手続きに関する規則改正

①出願から特許まで、2つの審査システムが導入された。

通常の出願は「FAST TRACK」と呼ばれるルートによって審査が行われる。審査開始時期を遅くするために、「SLOW TRACK」を請求することも可能である延長料金を支払うことが必要である。「FAST TRACK」では、審査請求は優先日から21月以内に行われなければならない(改正前は28月であった)。特許は優先日から42月以内に行われる(改正前は54月)。「SLOW TRACK」では、優先日から39月以内に延長が請求された場合、審査請求の期限は優先日から39月以内となり、特許容認は優先日から60月以内に行われる。

なお、PCT出願については、審査請求の必要はないが、審査請求して更なる審査を求めることは可能である。

②(修正実体審査)所定の機関(US、UK、EPO、カナダ、AU、日本およびNZ)における審査結果を示す書類(特許公報及びその英訳)を特許庁へ提出することにより、シンガポールにおいて許による保護を受けることができる。従来は28月以内に提出しなければならなかったが、改正後は42月以内に提出することができる。手数料を支払うことにより、60月までこの期間を延長することができる。

(2)特許による保護に関する規定の改正

①特許期間の延長に関する規定の改正:合理的でない理由に関する規定が設けられた。

特許権者は、特許庁により特許容認までに不合理な遅延があった場合または対応特許の発行の不合理な遅延があった場合、最大5年まで、特許期間の延長の申請をすることができる。特許期間の延長は、医薬品の特許に関し、市場に出すための承認を得る際に生じた遅延により特許を利用する機会が不合理に短縮されてしまったような場合にも適用される。最大で5年の期間延長が認められる。

②ボーラー条項に関する規定が設けられた。

③並行輸入を制限する規定が設けられた。ライセンス者の許可の下での輸入も特許権の侵害となる。

(3)特許後のサーチおよび審査手続きに関する規定の改正

だれでも、特許後に、審査されていないクレームに関する、またはサーチ・審査時に審査官によって考慮されなかった関連する先行技術に関するサーチおよび審査レポートを、所定の理由によって請求することができる。この手続きは簡単で安価であるが、アドバイス的なものであり、この手続きによって特許を取り消すことはできない。

(4)無効理由に関する規定の改正

不正確な説明(mispresentation)、詐欺的行為(fraud)、規定されている事項の不記載などが特許無効の理由に含まれるとなった。二重特許および不適法な補正も、特許無効の理由となった。

(5)優先権証明書に関する規定の改正

優先権証明書のコピーは、審査官によって要求されるまで提出する必要はない。この規定は、優先権証明書類の提出期限が2004年7月1日以降であるすべての出願に適用される。

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