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インド: 特許法改正

山口 晶子弁理士

インド政府は2004年12月26日、1970年特許法を時限的に改正する大統領令(Ordinance)を、28日には、それに伴う改正特許規則を、2005年1月1日から有効なものとして発布した。

(a)改正前(TRIPS注)に調印~2004年)

インドは、1995年当初からTRIPSに調印しており、その時点で将来の物質特許制度は確実であったが、
TRIPS移行措置の最終期限2005年まで物質特許の保護を延期していた。その間は、TRIPS移行措置にしたがって、インド特許商標庁は物質特許出願を受理していたが、審査は延期されている状態であった。さらに、物質特許出願と優先権を等しくする対応特許(equivalent patent)が海外で付与された場合は、該当する医薬品に関する排他的販売権(Exclusive MarketingRight: EMR)を特許権者に認めていた。

注)TRIPS:途上国に対する移行措置として、2005年まで物質特許導入の延期を容認している。しかし、優先権主張日が1995年1月以降の物質特許出願については、途上国政府に出願を受理することを義務づけている。さらに、物質特許出願と優先権を等しくする対応特許(equivalent patent)が海外で付与された場合は、該当する医薬品に関する排他的販売権(ExclusiveMarketing Right: EMR)を特許権者に認めることを途上国政府に求めている。

(b)大統領令(Patents (Amendment) Ordinance 2004

上記大統領令では、医薬に関しては以下のように規定されている。

(i) 医薬に限らず全技術分野において物質特許保護(1970年特許法のセクション5廃止)。優先権主張日が1995年1月以降の物質特許出願で審査が延期されていた出願も審査され特許される。

(ii) 物質特許導入に伴い、排他的販売権(ExclusiveMarketing Right: EMR)の関連条項廃止。(注:2004年12月末までにEMRが付加されているケースについては、その権利は保護される)

(iii) 医薬品の持久力に乏しく緊急に感染症対策が必要な国への輸出を目的とする医薬品他の特許に関する強制実施権制度の新設。

(iv)一定の制限付”New Use”許可
従来、既知物質の”New Use”は特許されていなかったが、”New Use”を一定の制限付で許可することとなった。

伊藤 孝美弁理士

(c)更に、今回インド特許法改正により、以下の点が変更された。

-特許前及び特許後の双方で異議申し立てを認めることで、異議申立て手続きが強化された。
-審査請求期間が、優先日から36月となった(2005年1月1日以降の出願)。

執筆者

特許部化学班パートナー 弁理士

山口 晶子 やまぐち あきこ

[業務分野]

特許

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