欧州共同体: CTMの制度改正
地域:CTM
業務分野:商標
カテゴリー:法令
黒田 亮弁理士
CTM(欧州共同体商標)の関連規則が改正され、2008年3月10日以降のCTM出願では、いわゆる各国 サーチレポートは出願人が出願時に申請した場合にのみ送付されることになった。
すなわち、CTM加盟国の国内先行商標を対象とする調査リストは、CTM出願人が出願時に192ユーロ(約31,000円)を別途支払った場合に限り発行される。この各国サーチレポートは、CTM加盟国中 16カ国(オーストリア、ブルガリア、チェコ、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、リトアニア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロベキア、スペイン、スウェーデン、英国)について一括して出願人に送付され、任意に調査対象国を指定することはできない。ちなみに、フランス、ドイツ及びイタリアについては、従来どおり各国サーチレポートは発行されない。尚、 OHIM(欧州共同体商標意匠庁)が行なう先行 CTMを対象とする調査リストは、新制度においても自動的に出願人に送付される。
この各国サーチレポート送付の選択制により、従来約3ヶ月を要していた各国サーチレポートの作成期間が約2ヶ月に短縮される予定である。
尚、マドリッド・プロトコール国際出願で指定されたCTM出願においては、この各国サーチレポートの申請は出願人がWIPO(世界知的所有権機関)国際事務局ではなくOHIMに対して直接行なう必要がある。この申請と必要な料金納付の期限は、OHIMが国際登録の通知を WIPOより受領した日から1ヶ月とされている。
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